10日ぶりにマンチャがキャットを!

マンチャの拒食が起こったのは今月の4日。
突然の事態にオロオロするばかりで、何をどうしていいか分からずでした。
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いつも買いに行くショップの店長さんに聞いたり、ネットでお知り合いになれたエイのブリーダーさんに助けを求めたりしました。
でも数学の方程式のように答えは1つではありません。
山の頂上に登る道は幾通りもあるように、100人飼育者がいれば100通りの治療法があるのです。
そしてそのどれも決して間違いではなく、すべて長年の飼育経験から得られた貴重な知識なんです。

奥がましい話ですが、その中からどの方法を選択するのか・・悩みました。
実際にエイを見ている私が決めなければいけないのですが。

今日のブログはエイ飼育者の中で突然の拒食で困られる方もいると思いますので、今後のためにも忠実に記録として残しておきたいと思います。
時系列に書いていこうと思います。

(拒食1日目)
まず4日、突如の拒食が始まった日は何もしませんでした。明日になったら治っているかもしれないという淡い期待を抱いたからです。
でも翌日も食べず。更にその翌日も。

こうなると焦ってきました。
このエイだけに起こっている事態なのか、それとも水質に異変があるのか・・。
原因を究明して、しかるべき治療をしなければ。
でも原因が不明です。

調子を崩す1週間前からその日までを遡ってみました。
①チビエイのために、通常のキャットにミニキャットをプラスして与えていた。
②気温の低下から今まで29℃だった水温が27℃になっていた。
③マンチャが拒食になる3日程前、ガー2匹が珍しく何も食べなかった。
④1ヶ月ほど前からマンチャが時々軽度の肌荒れを起こしていた。

ここから探っていくしかありません。
ミニキャットを食べ過ぎた。
気温の低下から代謝も低下して、体の機能が劣っている。
PHショック
寄生虫
などなど・・

でもどれも明確な根拠がなく・・。
熟練者の方に尋ねました。

(エアレーションの強化と濾過槽掃除)
色んな方にお聞きしてまず始めにしたことはエアレーションの強化。
今までのポンプからのエアでは少なすぎると感じていたところなので、ブロワに変更しました。
エアの強化によって、水から二酸化炭素が排出されるので、PHは上がるかなとは思いましたが、
酸欠による消化不良や内臓疾患を起こしている場合は大量の酸素が必要ですし。
代謝を高めるためには酸素は不可欠です。
その数日後濾過槽の掃除。
9分の4の濾材を飼育水で洗いました。
これで数日様子をみましたが、変化なし。


(マゾテン投入)
それにこの頃には拒食状態でも夕方にはやっていた壁昇りさえしなくなってきました。
そこでマゾテンを入れてみました。
エイのいないガーのみの水槽のときに規定量のマゾテンを投入したことがありましたが、そのときはエイがいなくてよかったと思っていました。
なるべくなら薬は入れたくないのですが、今はそんなことを言ってられません。
規定量でも大丈夫と聞いて、約30分かけて2リットルの飼育水に溶かしたマゾテンをゆっくり入れました。
調子の悪いエイもそうですが、元気なエイたちは大丈夫か?と見てみると大丈夫そうです。
平気ですって顔しています。
どちらかといえばガーの方が調子が悪そうに見えました。
流れに沿うわけでもなく、逆らうわけでもなく、無軌道に狂ったように泳いでいましたから。
投入している石巻貝に至ってはダウン寸前で、へばりつくのがやっとの状態でした。
こんな状況でもエイはへっちゃら。
エイはマゾテンに強いんだ!と実感しました。

マゾテンの効き目は大体2.3日と聞いていました。
このままで様子を見ましたが、依然食欲なしです。
他のエイたちにキャットを投入したときに、このまんちゃの背中にキャットが乗ることがあるんですが、それを異常に嫌っていました。
また他のエイに触れられるのさえも嫌がっていました。

そうこうしているうちにエイのエラの動きが遅く、浅くなってきました。
片方しか動かしていないようならエラにつく寄生虫と読んだことがありますが、このときは両方のエラの動きが非常に悪く、エラを全開時の3分の1も開いていません。
わずかしか開けていないんです。
これで酸素を十分に取り込めるのか。
勿論このとき壁昇りもしていませんでした。
そして体盤の中央をポルチャのビヨンドに噛まれてしまい、その傷が癒えず、だんだん広がっていました。
水カビのような感じではなく、傷口が膿んでグチュグチュしているような。
抵抗力が弱っているのか、免疫力が弱っているのかもしれないと思いました。

(秘薬投入)
これは魚には悪影響を及ぼすことなく、体表面に付着した細菌や腸内細菌、
寄生虫を短時間に駆除できるらしいのです。
この薬で薬浴することにしました。
説明書にもありますが、飼育水を衣装ケースに入れ、薬を入れ、ヒーターと強力なエアレーションを行い、エイを移します。
弱っているといっても網で掬おうとすると暴れます。
ネットサイズが小さいこともあって、掬うのに手間取りました。
衣装ケースに入れて、この状態で4時間。
開始時間が夜の12時を回っていたにもかかわらず、細かに指導していただき、このときほど嬉しかったことはありません。
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衣装ケースの中のエイを見ると、呼吸は暴れて興奮しているせいか久々に普通の呼吸をしています。
寄生虫がいれば、浮いてくるかもしれないとのことでじっと観察していました。

そして4時間後の午前4時50分、薬浴終了。
エイを元の水槽に戻します。
戻した直後は興奮しているので、エラの動きも活発です。
心配なので、午前7時まで見守りました。

薬浴した衣装ケースにはエイが出した茶色い粘液がのこっていましたが、ヒルがくるっと体を巻いたようなものが2匹見つかりました。
これが何なのか・・、顕微鏡で観察しました。
電子顕微鏡だったらもっとはっきりわかったと思うのですが、光学顕微鏡では詳しくは見れません。
それでも何となくですが、藻のかたまりのように思えました。

水槽にいるエイをふと見ると肛門から何やら見慣れないものが出ています。
何だろう?とピペットで吸い取ってみました。
それが以下の写真です。
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今までしていた粘膜便ではないです。
何故なら粘膜便なら指でつまむと簡単に切れました。
でもこのえたいの知れない物体は指でつまんでもそこそこの強度があるんです。
どんな感じかといえば、卵のカラザをつまんだような感じです。
長さは7センチくらいです。
硬いんです。
外膜は白濁のやや粘り気のあるもので、その芯にはピンク色のようなオレンジ色のような紐状のものが入っています。
これは寄生虫だ!と思いました。
確かに寄生虫ですと言われました。
やっぱりこの拒食の原因は寄生虫だったのか!
と同時に安心しました、これで治るんだと思うと。

その日の夕方くらいからは食べ始めるかなと思いましたが、食べません。
寄生虫が出たのになぜか食べない。
まだ出ていない寄生虫が体内にいるのか、それとも拒食の直接の原因ではなかったのか・・。
また迷路に迷い込みました。

薬浴で内臓にも多少負担がかかったせいで、しばらくすれば食べるかなと。
依然壁昇りもせず、呼吸も浅くて、遅い状態でした。
しばらく日をおいてもう1度薬浴しようと思っていました。


(PH・GH・KH・硝酸塩の測定)
拒食とは別にPHが高いことが気になり、何故だろうと思い始めました。
一方向から見ていては分からないままだと思い、KHやGH・硝酸塩濃度も測ってみることにしました。
これが直接の拒食の原因ではないと思いましたが、エイにとって快適な水を作ってやることは大事だし、それによって代謝機能が高まり、自然治癒力が高まればと。

ここからは一昨日・昨日のブログと重複しますが、
水槽内のGHが異常に高く、この原因は濾材から出るカルシウムイオンと推測できました。

そこで今日買いに行ってきました。
買ったのは、
・パワーハウスのソフトタイプ(微酸性)5袋 25リットル
・リバースグレインソフト

濾材を換えてカルシウムイオンを減らし、OH-を吸着させる目的です。
リバースグレインソフトはカルシウムイオンや硝酸塩を除去することが目的です。

家に帰って早速濾材を4袋20リットルだけ交換。たくさん換えるとPHの変動とバクテリアへの影響が心配ですので。
最後にリバースグレインソフトを入れました。これも水300リットル分しか入れていません。
急激にGHが下がるとPHも急激に低下することになるので。
それと水温を現在の26.7度から28度に上げてみました。

昨日までの仮説ではこれで水は安定するはずなんです。
でも問題は拒食です。
今日からはこの問題に取り組まねば。
今日で拒食10日目です。

でも変なんです。
10日も食べてないのに、体が痩せてない。
眉間はややくぼんでる感じはありますが、背中にいたってはポルチャのビヨンドと変わりません。
かといって盗み食いしてることもないですし・・。
以前サークルが3週間の拒食に陥ったときは、4日目にして眉間は四角形に陥没し、背中は痩せ、腰骨が見えていました。

ここから推測するに
・餌の食べすぎで、腸閉塞になり、詰まっているので腫れている。または腹水が溜まっている。
・食べ過ぎた消化管を一時休息させるために、拒食しているだけ。
 今ゆっくり消化している最中なので、空腹になれば食べるようになる。

後者なら安心ですが、前者なら命にかかわります。人間なら浣腸すればいいでしょうが・・。
今晩はこれを考えないといけないと思っていました。

取り合えず濾過槽への作業が終わり、夕ご飯を食べ、ちょっとくつろぎ、水槽部屋に行ってみるといつもと変わらない水槽。
まあどうせ食べないんだろうなあと思いつつ、他のエイのためにキャットを投入すると、
なんと、なんとこの拒食のマンチャがパクッとキャットを体盤の裏に吸い込みました。
目を疑いました。
もう数粒落としてみました。
やっぱり吸い込んでいます。
その証拠に齧っているときのしぐさのエラをガバガバさせてます。
食べているのか、齧っているだけなのかは分かりませんが、口に入れたことは事実です。

思わず「食べた!」って叫んでしまいました。
飛び上がってしまいました。
ホッとしました。
久々に心が晴れました。

食べたのは何に因るのかを調べようと昨日と同じように測定してみました。
 PH7.3 KH2°dh GH11°dh 硝酸塩20~30ppm

GHが下がりました。
そして一番下がったのが硝酸塩です。
たった4時間でここまで下がるとは驚きました。

食べただけでなく、他のエイの体盤をちょこっと齧るいたずらも始めています。
まだ本調子ではないでしょうが、これは大きな一歩です。

何が原因で回復したのかは
・エアレーションと水温上昇で代謝を高めた
・寄生虫が腸閉塞を起こしていたが、除去できた
・高濃度の硝酸塩とカルシウムイオン高濃度によるアルカリ性への偏りの改善

こういったところだと思うのですが。

(結論)
寄生虫が直接の原因だったと思います。
寄生虫は薬によって除去できたものの、飼育水が不適であったので本調子に戻れなかったと思います。
その原因の硝酸塩が減少したことで、治癒したと思います。
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今見ましたら、糞をしていました。
ということは食べていたんです!キャットを。
その糞の色は通常の色と違って、ややグレーっぽく、ヒダヒダがたくさんありました。
溜まっていたものが出ているのかもしれません。
昨日までじっとしていたのが、今は動きっぱなしです。
こんな姿を2度と見れないんじゃないかって思っていましたから、言葉にならないくらい嬉しいです。

教えていただいた皆さん、本当にありがとうございました。
励ましていただいた皆さん、本当にありがとうございました。
これからはこういう失態を2度と繰り返さないように水への勉強を継続していきたいと思います。

せっかく教えていただいたのに採用しなかった治療法もありました。
こちらから聞いておきながら、申し訳ありませんでした。
でも「エイ飼育ノート」にはきっちり残しています。今後の飼育に役立てていこうと思っています。
ありがとうございました。
この場を借りて、お礼とお詫び申し上げます。
これからも「どっぷりエイ」を暖かく見守ってやってください。♪
よろしくお願いします。

by doppuri-ei | 2009-11-15 02:38 | 淡水エイ

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